におい測定器
におい測定器の基本的な仕組み
におい測定器とは?
におい測定器は「におい」の強弱を数値化して測る測定器です。
「レベル表示」「臭気指数」と数値があり、レベル表示は臭いの強さを数字で表示し、臭気指数は計測した数値を元に「臭気指数」を計算して「00から40」の数値で表示します。
無臭と感じる場所を測定して、この臭いを基準値としてにおいを計り、基準値とどれくらい差があるかを比較して確認をします。
食品などの衛生管理、工場排気臭測定、脱臭装置や空気清浄機の性能評価、工場周辺の環境管理、室内や社内の環境モニター、河川や工場排水の水質管理などに利用されます。
においとは?
においとは、「大気中に浮遊する分子量が300以下の主に有機物で、水および脂質にある程度の溶解性がある物質、既存の有機物約200万種のうち1/5の約40万種ににおいがある」とされています。
このように、私たちの周囲にはにおいがあふれています。
草花や工場のにおい、住まいや食べ物のにおい、私たち自身のにおいなど、普段から無意識のうちににおいに囲まれて生活しています。
私たちはにおいを「一つのもの」として捉えがちですが、実際には色々な物質が混ざり合っています。
におい物質は混ざり合うことで違うにおいになったり、強く感じたり、打ち消しあいほとんど感じなくなったりします。
また、ある人にとっては心地よいにおいが、他の人には不快に感じるということもあり個人差があります。
身近にありながらも捉えることが困難で、世界共通の単位がないものがにおいです。
におい測定器の原理について
熱線型焼結半導体センサを使用し計測を行っています。
白金線コイル上に金属酸化物を直径約0.4mmの玉状に塗布した後、焼結させた構造です。
金属酸化物半導体の表面ににおい分子が吸着すると、その電気伝導度が高くなり電気抵抗値が低下します。
この抵抗値変化をブリッジ回路の偏差電圧として取り出します。
6段階臭気強度表示法
においの強さを表す方法として、日本では「6段階臭気強度表示法」が一般的に用いられます。
においの強さを0から5の6段階の数値で表します。
- 0:無臭
- 1:やっと感知できるにおい(検知閾値)
- 2:何のにおいであるかわかる弱いにおい(認知閾値)
- 3:楽に感知できるにおい
- 4:強いにおい
- 5:強烈なにおい
この6段階臭気強度表示法は悪臭防止法における22の特定悪臭物質の基準値を設定する際の評価尺度として採用されています。
悪臭防止法に基づく規制基準のうち敷地境界線における規制基準は、6段階臭気強度表示法の臭気強度2.5〜3.5に対応する物質濃度、又は臭気指数から定めることとされています。
臭気指数について
臭気指数とは、人間の嗅覚によってにおいの程度を数値化したもののことをいいます。
特定悪臭物質(22物質)以外の臭気を発するすべての物質が対象となり、臭気の質ではなく、臭気の強さを評価します。
「良いにおい」と感じられるものでも、その臭いの強さが高いほど臭気指数(濃度)は高くなります。
定期的な測定義務はありませんが、各地方自治体が指定した規制地域内のすべての工場・事業所が規制対象となっています。
臭気指数の測定は、測定器を使用するのではなく敷地境界線や気体排出口の場合、「三点比較式臭袋法」という人の嗅覚による測定方法で行います。
工場や事業所などで試料採取を行い、試料を分析室に持ち帰ります。
3個の無臭空気を入れた「臭い袋」を用意し、そのうち一つに試料を入れて「臭う」「臭わない」の判定をする方法で6人以上の正常な嗅覚の人が判定にあたります。
試料を希釈しながら判定を繰り返し、臭いを感じなくなるまでの希釈倍率に基づき臭気指数を算出します。
におい測定器の特徴について
ポータブル型においセンサmini XP-329m【新コスモス電機】
- ・においの強弱をデジタル数字で即時表示が可能。
- ・繰返しの再現性に優れ、無臭ガスに反応しにくい独自のセンサを搭載しています。
- ・重さ約300gと小型・軽量設計で持ち運びに便利です。
- ・従来品より1本少ない単3形アルカリ乾電池3本で、連続使用時間は10時間で2時間アップしました。
- ・ベース調整のみで簡単に測定開始が可能です。
- ・メモリされたデータを専用ソフトでパソコンに取り出すデータメモリ機能搭載(オプション)。
ペット売り場に消臭加湿器を置いた際にその前後の消臭効果を比較、賃貸住宅の部屋が臭いとのクレームへの対応、工場の排気臭測定、脱臭装置や空気清浄器の性能評価など、様々な場面で使用されています。
においセンサ XP329IIIR【新コスモス電機】
- ・電源投入「1分」で測定OKです。
- ・毎日ご使用になる場合、においセンサーXP329IIIR型は1分でにおい測定が可能に。
- ・ゼロベース設定を標準化。
- ・においセンサー XP329IIIR型は、ベース調整用活性炭フィルタを標準装備しました。
- ・測定モード切換はボタン一つでリアルタイム表示の連続モニタリングモードと、バッチ測定(XP-329IIIR型1分)のモード切換が簡単なボタン操作で行えます。
- ・データメモリ機能≪においセンサー≫にメモリされたデータを専用ソフトでパソコンに取り出すことができます。
- ・『レベル』と『臭気指数(相当値)』表示切替が可能。
においセンサー XP329IIIR型は、においの強さを従来のレベル(0-2000)表示のほか、嗅覚測定法の「臭気指数」に相当する数値としても表示します。 - ・オリジナルの臭気指数(相当値)変換を実現
においセンサー XP329IIIR型は、測定対象臭気に合わせた指数変換テーブルを入力できるようになっています。
工場の排気臭測定、脱臭装置や空気清浄器の性能評価、工場周辺の環境管理、室内や社内の環境モニタ、河川や工場排水の水質監視、物理化学反応の追跡など、様々な場面で使用されています。