温度計

 

温度計の基本的な仕組み

温度計とは?

温度計とは、皆さんがご存知の通り温度を測定する計器です。
温度変化にともなう液体の体積変化といった物性変化を利用して温度を測定します。
一般的に温度を計るものを温度計と呼びますが、「体温計」など特定の用途に応じた名前を持つものもあります。

温度とは「熱」の量のことです。そして、「熱」の実態は「分子の運動」です。
ある気体を考えたとき、0°Cの気体と100°Cの気体では、分子の動きの激しさが異なることがわかっています。
高温部と低温部を接触させておくと等温になる、という現象は「速い分子が壁に衝突して壁を揺らす、その揺れた壁にぶつかった遅い分子は加速される」のだと考えられます。
つまり、熱の移動というのは、物質(分子)の持っている運動エネルギーの移動を意味しているのです。

温度にはさまざまな単位があります。日本では°C(セルシウス度、摂氏)をよく使いますが、他にも、熱力学で使用するK(ケルビン、絶対温度)、°F(ファーレンハイト度、華氏)などがあります。

温度計の種類

温度計の種類について

温度計は大きく分けて「一次温度計」と「二次温度計」に分類されます。

一次温度計とは、熱力学温度と直接対応する物理量を測定することで温度が決定される温度計のことであり、温度標準の決定に用いられます。
一次温度計の特徴は、このように物理量の定義から温度が導かれるので、校正という概念がない点にあります。
温度標準(温度目盛)は国際的な取り決めとして温度域ごとに定義式が定められています。

二次温度計とは温度との対応が明確に関連付けられた別の量、例えば、電気抵抗値や液柱の高さ、出力される電圧などを測定することで温度を求める温度計のことを言います。

一般に流通しているほとんどの温度計はこの二次温度計に分類されます。

温度計には以下のような種類があります。

  • ・ガラス温度計
  • ・アルコール温度計
  • ・体温計
  • ・熱電対
  • ・放射温度計

各温度計の特徴について

ガラス温度計

家庭などにも置いてあり温度を測るのに、もっとも普及しているタイプです。
温度による液体の膨張原理を利用しています。

ガラス温度計と言われるものは、ガラスの細管の中に感温液を入れ、液柱の位置から温度を測るようにしたものをガラス温度計といいます。
通常使われるガラス温度計は、使用する液体により大きく水銀温度計と有機液体温度計(アルコール温度計、赤液温度計とも言います)に分けることができます。

ガラスの材質や液体の種類を選ぶことで0.01K程度の精度(温度差についてはさらに1ケタ以上高い精度)で温度を測ることができます。

水銀は、零下39°Cで凍るため、零下39°C以下の温度は測ることができません。
また、150°C以上になると、中を真空にした普通の水銀温度計では水銀の蒸発がさかんになるので、これ以上の温度では使えなくなります。

しかし、水銀の上部に窒素などを高い圧力で閉じ込めて水銀の蒸発や沸騰をさまたげると、700°Cぐらいまで測れるものがつくれます。

アルコール温度計

アルコール温度計は、特に低い温度を測る場合に便利でよく使用されます。
アルコールは、零下117°Cまでは凍ることがないため、水銀温度計よりもずっと低い温度が測れます。

しかし、アルコールはそのままでは、60°C以上の温度を測ることができません。
アルコールの上に気体を閉じ込めておくと、100°Cぐらいまで測れるものがつくれます。

アルコールは、水銀よりも10倍以上も膨張率が大きいため、管球の大きさとめもりの長さを水銀温度計と同じにしておけば毛管を太くして見やすくなります。
そのかわり、管球だけを熱すると正しい温度がわかりません。

体温計

体温計は、動物の体の温度(体温)を計測するための温度計。
人間の体温を測ることを目的したものでは概ね32°Cから42°Cまでの範囲を測定が可能です。
42°C以上を測定できない(電子式では「H°C」などと表示される)のは、体温が42°Cを超えるような生命の危機に瀕した状態においては 正確な体温を測定することにあまり意味がないためです。

体温計には、アナログ式とデジタル式があります。

  • 【アナログ式】
     液体や気体の熱膨張によって測定し、刻印されている目盛りから体温を読み取ります。
     測定液には水銀を利用した棒型のものが一般的です。
     アナログ式体温計は長く使用されていましたが、使用前に目盛を最低温度以下に戻す必要があり、そのために何度も強く振る必要があるなど手間がかかることから、低価格化されたデジタル式にとって変わられてきています。
  • 【デジタル式】
    サーミスタや赤外線検知回路、それを制御するマイコンを組み込んだ電子回路によって測定します。
    形状はアナログ式同様に使えるよう、薄型の棒状に近いものが多く、体温は小型の液晶ディスプレイなどの表示装置を通じて読み取ります。

 現在では家庭のみならず医療機関(病院、診療所)でも主流となっています。

熱電対

熱電対とは二種類の異なる金属導体で構成された温度センサのことです。
主に工業用として使用されるこの熱電対は、他の温度計(水銀計、サーミスタなど)と比較して下記のような特長があります。

  • 1)応答が早い。
  • 2)−200℃〜+1700℃と広範囲の温度測定が可能。
  • 3)特定の点や小スペースでの温度測定が可能。
  • 4)温度情報が電気信号(熱起電力)として検出されるので情報処理・解析がシンプル。
  • 5)安価で入手しやすい。

1821年、ドイツ人科学者ゼーベック(T.J.Seebeck)が、2つの異なる金属をつなげて両方の接点に温度差を与えると、金属の間に電圧が発生し、電流が流れることを発見しました。
この現象を発見者の名前をとって「ゼーベック効果」と言います。
この回路に電流を起こさせる電力を熱起電力(Thermoelectromotive force)と呼ばれ、その極性と大きさは2種類の導体の材質と両端の温度差のみによって定まることがわかっています。

熱電対は二種類の金属導体の組み合わせ方で数十種類あり、使用温度範囲によって金属の組み合わせを変えます。

放射温度計

手のひらを頬に近づけると暖かく感じますが、これは人間の手のひらから出ている赤外線を皮膚が感知しているため暖かさを感じます。

このように、全ての物体は赤外線を出しており、物体の温度が高くなればなるほど強い赤外線を放出しています。
放射温度計はこの赤外線を利用して温度を測定します。

移動・回転する物体や、センサを接触させると表面温度が変化するような物体(小熱容量物体)の温度測定に向いており、 物体の内部や気体の温度測定ができない点や物体に合わせて放射率の設定が必須である点などが
デメリットとしてあげられます。

放射温度計には携帯型と設置型の2種類があります。

  • 携帯型(ハンディタイプ)は、検出部と変換部の区別がなく、両者が一体に構成された放射温度計です。
    小型かつ軽量であり、携帯して手に持って温度を測定することが可能です。
  • 設置型は、検出部と変換部が構造上別体に分かれており、両者を接続ケーブルで電気的に結合している放射温度計です。
    温度計を空いたスペースに設置して測定します。

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