金属製品加工・販売でよく使われる機材 特集【粗さ計・厚さ計・膜厚計・亀裂震度計・フェライト含有量測定器】
金属とは、私たちの生活には欠かせない物質です。
金属と言いましても、様々な種類があり、主に身近に製品として使うものを列挙すると、
・鉄
・ステンレス
・アルミニウム
・銅
・真ちゅう
・チタン
・ニッケル
…などがあります。
これらの金属は強度や電気・熱の伝導率、延性、腐食しやすさ、加工のしやすさ…などに違いがありますので、
用途、目的によりどの金属が使われるかは変わってきます。
しかし、どの金属も、鉱石から精錬しただけでは使うことは難しく、加工して使い易くする必要があります。
金属加工の種類には、以下のようなものがあります。
(1)成形加工
成形加工とは、金属材を部分的に取り除かずに、熱、圧力や機械力を用いて変形させる加工方法です。
熔解した金属を型に注ぐ鋳造、熱と圧力を用い金属を機械で扱うことを容易とする塑性加工などがあります。
(2)切削加工
切削加工とは、金属材から最終完成形にするために不要な部分を取り除くことです。
機械加工、旋盤加工、ねじ切り加工、研削加工、やすりがけ加工などがあります。
(3)接合加工
接合加工とは、金属同士をくっつき合わせる加工方法のことです。
接続部分に熱や圧力を加えて接合させる溶接、充填金属を溶かして毛細管現象を利用し金属を接合させるろう付け、はんだによって金属を接ぎ合わせるはんだ付けなどがあります。
金属加工は、金属を所望の形状や寸法に変形させるプロセスです。金属加工は、機械工学や製造業の一部として広く使用されており、さまざまな産業や製品の製造に関与しています。
金属加工には、以下のような主なプロセスが含まれます:
切削加工: 金属を所望の形状に切断するプロセスです。旋盤やフライス盤などの機械工具を使用して、金属を削り取ることで形状を作り出します。
曲げ加工: 金属を曲げて所望の形状に成形するプロセスです。金属板やパイプなどの材料をプレス機や折り曲げ機を使用して曲げます。
型抜き加工: 金属板を型に沿って切り抜くプロセスです。レーザーカッティングやプラズマ切断などの方法が使用されます。
焼結: 金属粉末を高温で加熱し、結合させるプロセスです。焼結によって、金属の密度を高めたり、複雑な形状を作り出すことができます。
溶接: 金属部品を熱で溶かし、接合するプロセスです。溶接は、異なる金属部品を接合したり、強度を高めるために使用されます。
鍛造: 金属を熱して叩いて形状を変えるプロセスです。鍛造によって、金属をより強固にし、耐久性を向上させることができます。
これらの金属加工プロセスは、自動化された機械や工具、専門的な技術と知識が必要な場合もあります。金属加工は、自動車産業、航空宇宙産業、建築業、家電製品製造など、さまざまな産業で広く利用されています。
今回は、これらの過程で使われている機材を紹介します。
粗さ計は、機械加工した部品の表面の粗さの状態(ツルツル・ザラザラ・デコボコ)を数値化して測る測定器です。
金属製品の品質を確保するためには、加工表面に凸凹の基準を設けなければなりません。
粗さを指定する単位としては、Raがよく利用されます。
★こんな機材が使われています!
●小形表面粗さ測定機 サーフテストSJ-412
【こんなところで使用されています!】
・金属表面測定に
・仕上げの粗さ、工作中の粗さの確認に
【機材の特長】
・カラーグラフィック
・バックライト搭載
・簡単操作のタッチパネル付き
・使いやすさと高機能を両立
・様々な規格へ対応
・16ヶ国語に対応
・高精度測定を実現
・多彩なインターフェースを標準装備
・パスワードによる機能のアクセス制限が可能
・ワンボタンで測定実行
・高速プリンタでその場で測定結果を印刷
●これ以外にも粗さ計、多数取り揃えております!比較表はこちら!
厚さ計は、金属やプラスチック、ガラスなど、さまざまな材料の厚さを測れる測定器です。
部品を切ったりすることなく、非破壊で測ることができます。
マイクロメーターやノギスは測定物質の両端を挟まなくては測れませんでしたが、厚さ計は挟む必要がありません。
特別な訓練や扱うための資格は不要です。
★こんな機材が使われています!
●超音波厚さ計 AD3253
【こんなところで使用されています!】
・樹脂、ガラス、金型の寸法測定など製品検査
・鉄、アルミなどの鋳物の厚さの検査
・金型/精密部品等の精度厚さの検査
・金属加工品の仕上げ厚さの検査
【機材の特長】
・金属腐食の検査からガラス、プラスチック、セラミックス等、広範囲にわたる材料の肉厚測定や検査に最適なローコストタイプのデジタル超音波厚さ計です。
・専門知識や熟練技術がなくても、簡単に厚さを測定することができます。
・電源投入後ただちに、自動的に動作チェックを行います。
・超音波厚さ計AD3253は、音速不明のサンプルでも、同じ材質で厚さが既知の試験片があれば音速値を調整でき、その材質の厚さを測定することができます。
・約5分間以上使用しないと自動的に電源が切れ、電池の無駄な消耗を防ぎます。
・超音波厚さ計AD3253は、音速設定値のメモリーをするので、電源を切っても設定値を呼び出すことが可能です。(電池を抜くと設定値を保持しない場合があります。)
●これ以外にも厚さ計、多数取り揃えております!比較表はこちら!
膜厚計は、素地(鉄や非鉄金属)の上に施された各種被膜(塗装・ペイント、メッキ、樹脂膜)を非破壊で測る測定器です。
被膜が厚すぎると、ひび割れの原因になりますし、何より、メッキや塗装の無駄遣いになってしまいます。
逆に、被膜が薄すぎると、変色や光沢が劣化するだけならず、素地の露出でサビの原因になってしまいます。
そのため、被膜を正確かつ適切に測る膜厚計が用いられます。
★こんな機材が使われています!
●膜厚計 SWT9200
【こんなところで使用されています!】
・塗装/ライニング/メッキ
・アルマイトなどの絶縁性皮膜
【機材の特長】
・測定用途に合わせ接続プローブの選択が可能。
・LCD画面上に操作手順をガイド表示。
・大容量の測定値メモリ(20,000点)。
・検量線登録による簡単呼び出し測定。
・上下限値設定、統計演算機能内蔵。
・USB接続でパソコンへのデータ転送が可能。
●これ以外にも膜厚計、多数取り揃えております!比較表はこちら!
亀裂深度計は、疲労割れの深さ診断、磁気探傷/超音波探傷後の深さ測定、ロール/金型の掘れ深さ測定に使われています。
割れの深さを測定することで、部品や設備の補修・交換の判断、製品の合否判定が可能になります。
★こんな機材が使われています!
●亀裂深度計 RMG4015
【こんなところで使用されています!】
・割れ深さの測定によって、補修の可否の判断
・保守管理の上で、進行する割れ深さのモニターを使った交換時の決定
【機材の特長】
・亀裂深度計 RMG4015は磁性体、非磁性体の両方に適用可能
・簡単測定:プローブの針を割れに当ててデジタル直読
・堅牢な耐ショック設計、防滴構造の亀裂深度計
・データロガー内蔵(最大3850点)300種類のバッチ処理区分可能RS232C出力付き
・プローブのピンは脱着式で交換可能オフセット機能
・測定精度 磁性体:1から13% 非磁性体:1から25%(材質と測定範囲により異なる)
フェライト測定器は、石油パイプライン、圧力容器等の溶接部又はスチールクラッドのデルタ・フェライト量を非破壊で測る測定器です。
フェライト含有量が少なすぎる場合、溶接する部分が熱を受ける際に亀裂を起こしやすくなり、逆に多すぎると、溶接部の靭性・延性が少なくなってしまいます。
★こんな機材が使われています!
●フェライト含有量測定器 FMP30
【こんなところで使用されています!】
・タンク・パイプなどの物理学的強度や薬品耐抗性などに影響するオーストナイト鋼の溶接部や二相鋼のフェライト含有量の測定
・化学プロセス工場などのパイプやタンクの溶接部の熱による相の変化の検出や経年変化などを測定
【機材の特長】
・測定単位はWRC-FNあるいは%Feが選択可能。測定範囲は、0.1から80%Feあるいは0.1から110FNのフェライト含有量
・平均値、偏差値、最小最大値、測定値幅などの統計処理機能付き
・連続測定モードやデータをブロックごとに分けて記録するマトリックス測定モードが可能
●これ以外にもフェライト測定器、取り揃えております!比較表はこちら!
金属製品加工・販売会社により使用される計測器は、このほかにもたくさんあります。
これらの計測器は同じジャンルであっても、メーカーや機種により使い勝手、付帯している機能に違いがあります。
使用する前には目的・ニーズと合っているかを確認したうえで使う必要があります。
計測器はリーズナブルな物から高価な物までいろいろありますが、予算が足りないときはレンタルを利用して計測器を利用するという方法もあります。