環境コンサルタントが使用している計測器 特集【水質測定器・土質試験器・環境機器】
環境コンサルタントは、環境に関連する問題や課題について専門的な助言やサービスを提供する専門家です。彼らは環境保護や持続可能性に関する知識と経験を持ち、企業、政府機関、非営利団体、個人などのクライアントに対して環境に関する様々な問題に取り組む支援を行います。
環境コンサルタントの主な業務は以下のようなものです:
環境アセスメント: 建設プロジェクトや開発計画などにおける環境への影響を評価し、環境アセスメントレポートを作成します。環境影響評価(EIA)や環境影響評価(EIS)などの手法を使用して、環境への潜在的な影響を特定し、適切な環境管理策を提案します。
環境マネジメント: 企業や組織が環境に対して適切な取り組みを行うための支援をします。環境マネジメントシステムの設計や実装、環境方針の策定、環境パフォーマンスの監視や評価などを行い、法的規制や持続可能性の要件を満たすための支援を提供します。
環境リスク評価: 企業やプロジェクトの環境リスクを評価し、リスク管理戦略を策定します。環境汚染や自然災害の影響評価、事業活動に伴う環境リスクの特定、緊急事態対応計画の策定などが含まれます。
持続可能性戦略: クライアントの持続可能性に関する目標や戦略を策定し、実装支援を行います。エネルギー効率、廃棄物管理、環境への配慮、社会的責任など、持続可能性に関連するさまざまな要素を考慮し、戦略の策定や改善の支援を行います。
環境コンサルタントの仕事をさらに付け加えるならば、
・環境に関する条例の作成・環境を保全するための制度を整える支援。
・環境ビジネスの企画・立案、補助金取得、環境にやさしい製品開発の支援。
・環境教育セミナー、環境に関する図書出版の支援。
…などといった多岐にわたる業務を行います。
その他に重要な業務として、水質や土質と言った各種環境分析・それに対応するコンサルティングがあります。
今回は、そのような環境コンサルタントが環境分析に使用する機材を紹介したいと思います。
水というものは、私たちの生活・社会を維持するうえで重要なものであるだけでならず、私たち、ひいては地球上の生物が生きていく上で、必要不可欠なものです。
できる限りは汚さずにいたいですが、私たちの生活を発展させるためには、さまざまな「開発事業」が必要になってきます。
そのような「環境保全」と「開発事業」を両立・調和していくことがこれからの課題です。
それを実現していくために、今の身の回りにある水の状況を物理的・化学的・生物的に、様々な面から調べていくことが必要になってきます。
調べる対象は川、湖沼、ダム貯水池といった比較的きれいな水から、下水道、汚水処理プラント、工業排水などの汚れた水まで幅広くあります。
調べる項目もpH(水素イオン濃度指数)、DO(溶存酸素量)、BOD(生物化学的酸素要求量)COD(化学的酸素要求量)、SS(浮遊物質量)など、さまざまにあります。
★こんな機材がレンタルされています。
●ph計●
PH計は、水溶液の酸性及びアルカリ性の程度を測る測定器です。
●PHメーター HM-30P
【こんなところで使用されています!】
・工場における製品製造の工程管理
・火力発電、ボイラ、ゴミ焼却場でのpH測定
・建築土木工事や工場等の工場排水のpH測定
【機材の特長】
・ポータブルpH計(pH測定専用の普及型)
・フィールド測定に安心な防水構造(IP67 1m、30分浸漬可。)
・1000データのメモリー機能搭載
・省電力・防水設計でフィールド測定に最適
・充電式ニッケル水素電池使用可能
・1000データのメモリー機能搭載
●その他のPH計はこちら
●濁度計●
濁度計は、土砂や微生物・溶解物質など水の濁りを測る測定器です。
●TSS Portable 携帯型濁度/SS/汚泥界面計
【こんなところで使用されています!】
・上水・下水処理場濁度の測定
・ダム、農業用水などの濁度の測定
・工場排水・工事排水などの濁度の測定
・河川・湖沼などの一般環境水の濁度の測定
【機材の特長】
・充電式電源だから安心、環境にも優しい設計
・気泡補正機能を内蔵
・濁度/SS/汚泥界面のフィールド測定が簡単に
・優れた耐久性と汚れの付きにくいプローブを採用
・複数の校正曲線で、低濃度域から高濃度域までの広範囲な測定が可能
●その他の濁度計はこちら
●溶存酸素計●
溶存酸素計は、水中に融解している酸素(溶存酸素濃度)を測る測定器です。
●溶存酸素計 DO-31P
【こんなところで使用されています!】
・井戸水などの水質検査
・ボイラなどの腐食管理
・養魚槽,水耕栽培のDO管理
・生物化学的酸素要求量(BOD)の測
・下水廃水処理における生物反応槽のDO管理
・公共用水域(河川・湖沼・海域)の環境基準監視
【機材の特長】
・フィールドのDO測定やBOD測定用に。
・フィールド測定に安心な防水構造(IP67 1m、30分浸漬可。)
・1000データのメモリー機能搭載
・省電力・防水設計でフィールド測定に最適
・充電式ニッケル水素電池使用可能
※情報化施工の【水質環境対策】にも利用されています。
●その他の溶存酸素計はこちら
●COD計●
COD計は、水中の汚濁物質を酸化剤で酸化する時に消費する酸素量を測る測定器です。
●COD測定器 COD60A
【こんなところで使用されています!】
・河川・地下水・排水など水質測定・検査
・環境保全、水質分析
【機材の特長】
・簡単な操作で、工場廃水等のCOD濃度を測定できる卓上型COD測定器です。
・加熱/滴定処理部を一体化した測定ユニットの採用と、独自の制御方法により、酸化から滴定までを自動化。個人誤差の少ない信頼性の高いCOD測定が可能です。
・COD測定器 COD60Aは、JIS法直線回帰式による自動換算機能を内蔵しています。
・測定による廃液量も従来の1/5以下に削減。環境を考慮した設計になっています。
●その他のCOD計はこちら
土というもののは、あまり「公害」の対象としては意識されないと思われます。水質だと大体は見た目で分かりますし、大気汚染は臭いなどで分かります。それに対し、土壌の汚染は視覚的にも、嗅覚的にも分かりづらいものです。
しかし、土壌汚染は長期にわたって有害物質が残存する上、地下水を経由して拡散するほかに、直接暴露や摂食などで私たちの健康に被害を与えることがあります。
さらに、地下水にまで拡散した場合、その土地だけでなく、広い範囲に被害が及んでしまうこともあります。そのため、土壌の汚染は土壌汚染対策法などの法律にのっとり、きちんとした手続きで確実に測定しなければなりません。
土壌汚染の危険性がある土地は、食品工場などを除くすべての製造工場、化学肥料などを用いる農用地、病院や研究施設、ダイオキシンが発声する焼却施設、埋め立て地など多岐にわたります。
また、土質は汚染されているか否かだけでなく、強度があるかどうかも重要になります。建物や道路などは、全ての重量を地面に預けています。もし地面の強度が十分でない場合は、工事を行っても基盤がしっかりしていないため、大きな事故につながる危険性もあります。
土質を測る試験には、土壌のサンプルを採取してそれを測定する土質試験(物理試験・土壌試験)や、現場で行う試験(原位置試験・サウンディング試験)があります。
★こんな機材がレンタルされています。
●貫入試験器●
貫入試験器は、土地の地盤の固さを測る計測器です。
●スウェーデン式貫入試験機 S215
【こんなところで使用されています!】
・土地の地盤の固さ測定に。
・道路路床、路盤、グランド管理や軟弱な粘度の測定に。
【機材の特長】
・土質工学会のJIS原案に基づいて製作したもので標準貫入試験の補助法として玉石を除くあらゆる土層に適用します。
・試験結果もデータシートがあり試験表と図示により土の状態がはっきり表示できる特徴があります。
●その他の貫入試験器はこちら
環境コンサルタントが測る物質には、アスベストやダイオキシン、PCBといった化学物質もあります。アスベストに関しては、スクリーニング調査、検体採取・分析による含有の判定、法令準拠の対策工事についての提案・実施、一般環境中のアスベスト気中測定などがあります。
また、環境測定には、小型の試験器だけでなく、大規模なシステムも使われています。水質や騒音、振動など計測した値を手軽にインターネットに接続し、データ化することが可能です。
★こんな機材がレンタルされています。
●マノメーター●
・マノメーターは、正圧、負圧、差圧を測る測定器です。
●マノメーター FP-1型
【こんなところで使用されています!】
・アスベスト除去現場の負圧監視
【機材の特長】
・0.1Paの分解能を持っています。
・日時時刻を記憶しつつデータ収録して、収録箇所を5ブロック分まで分割し、整理記録ができます。
・収録データはUSB通信機能によりパーソナルコンピューターに送信でき、付属の専用ソフトウェアでデータ管理が可能です。
・負圧管理用の警報機能を搭載しており、負圧設定値より負圧度が弱まりますと、ブザー警鐘と共に赤色LEDを点滅させることができます。また、警報接点出力も搭載していますので、警報状態を外部出力させることもできます。
・自動ゼロ調整機能を搭載しています。
・電源は単3アルカリ乾電池4本で、約20時間連続運転が可能です。
・携帯型の小型マノメーターですので、多様な現場で使用できます。
●その他のマノメーターはこちら
●水質監視システム●
水質監視システムは、水質を監視するシステムです。排水などの水素イオン指数や濁り度を見える化した水質を監視するシステムです。
●濁度クラウド計測システム CMS-TB
【こんなところで使用されています!】
排水などの濁度を見える化したい時に
【機材の特長】
・計測した値をクラウドサーバーに送信し、インターネットに接続したパソコンやモバイルデバイスから、時系列に並んだリストやグラフでデータ履歴を確認することができます。
・計測値が設定した値を超えた場合には、パトランプシステムと連動して警報を出し、サーバーから現場事務所や担当者にメールを送るなどの動作が可能です。
●その他の水質監視システムはこちら
●環境監視システム●
環境監視システムは、環境を監視するシステムです。騒音振動クラウド計測システム CMS-NVは、騒音・振動の計測値をリアルタイムに確認できます。
●騒音振動クラウド計測システム CMS-NV
【こんなところで使用されています!】
・騒音・振動の計測値をリアルタイム表示したい時に
【機材の特長】
・収集したデータはクラウドサーバ上に保管・グラフ化され、インターネットを通じての閲覧や必要に応じてCSV形式でダウンロードすることができます。
・計測データが設定値を超えた場合、パトランプシステムの作動によって周囲に警戒を促したり、指定したメールアドレスにメールで通知を行います。
・サインロイドとの組み合わせで、LEDを利用した視認性の高いデジタル表示により、接続したセンサーの計測値をリアルタイムで表示できます。
●その他の環境監視システムはこちら
★河川調査・海洋調査には…
【流速計】
流速計は、河川や各種水路などで流速を測る測定器です。
【こんなところで使用されています!】
・河川や各種水路など流速の測定。
・河川、湖、沼などの生態系調査の流速測定。
・河川の治水・利水のための流速度の測定。
・土壌汚染や地下水汚染調査のための測定。
・地すべり調査のための地下水流動の調査。
・地下水調査に。(ストレーナの位置決定のための湧水箇所の特定)
・測定深度決定のための温度検層。
●電磁流速計 AEM-1D
【機材の特長】
・水深3cmでも測定が可能
・簡単操作(オートゼロ機能)
・表示器にメモリ機能追加
・見やすい大型液晶採用
・低価格を実現
●電磁流向流速計 AEM213-D
【機材の特長】
・2軸電磁流速センサーと内蔵コンパスを持つ直読式の流向流速計です。
・深度センサーと水温センサーが標準装備されていますので、目標水深での流速測定が確実に行えます。
・小型軽量の本機は携帯に便利であり、海洋観測の他河川、湖沼、ダム等さまざまなフィールドで使用できます。
・読みやすい液晶を持つ表示部は、メモリー機能も有しています。
・観測データは現場での収録後パソコンに転送し、各種の演算処理が簡単に実行できます。
・電源は、単2型アルカリ電池で最長10時間の観測が可能です。
●その他の流速計はこちら
【水質計】
●水質チェッカ WQC24
【こんなところで使用されています!】
・河川・湖沼などの環境測定
・工業排水・農業排水の管理など
・井戸・地下水、養魚、土木工事、ダム、下水、海水などの水質検査
【機材の特長】
・水質分析計水質チェッカは、pH、DO、EC、濁度、温度、塩分、全溶存固形物量、海水比重の測定が出来ます。
・pHは圧力保障機能付で、しかも割れにくいStrong-pH電極。又、DO(溶存酸素)は無流速での測定を実現した無流速DO電極。
・水質分析計水質チェッカは、ポーリング調査用パイプにそのまま投入して測定が可能です。
・水質分析計 水質チェッカは、水深100mでの測定が可能です。
・メモリー内臓のセンサモジュールで一ヶ月連続動作、測定データ保存が出来ます。(標準センサモジュールで15分間隔測定(アルカリ乾電池使用時)の場合で週一回の保守が必要です)
・RS-232C出力を標準装備。
●その他の水質計はこちら
環境コンサルタントにより使用される計測器は、このほかにもたくさんあります。
これらの計測器は同じジャンルであっても、メーカーや機種により使い勝手、付帯している機能に違いがあります。
使用する前には目的・ニーズと合っているかを確認したうえで使う必要があります。
計測器はリーズナブルな物から高価な物までいろいろありますが、予算が足りないときはレンタルを利用して計測器を利用するという方法もあります。