非破壊検査でよく使われている機材 特集【ピンホール探知器・超音波測定器・探傷計・鉄筋検査機】
非破壊検査（Non-Destructive Testing, NDT）は、物体の内部または表面の欠陥や異常を検出するための技術です。以下に、非破壊検査が使用される可能性のあるシーンのいくつかを挙げます。
1. 製造業: 製品の品質管理や安全性を確保するために、非破壊検査が使用されます。例えば、自動車や航空機の部品、溶接部の欠陥検査、金属製品の強度試験などがあります。
2. 建築業: 建物や構造物の安全性を確保するために、非破壊検査が行われます。例えば、コンクリートの内部欠陥や鉄筋の位置を検査するために、超音波検査や赤外線検査が使用されます。
3. 電力産業: 発電所や送電線などの設備で、非破壊検査が行われます。設備の老朽化や劣化を監視し、問題を予防するために、超音波検査や磁気粉検査が使用されます。
4. 航空宇宙産業: 航空機や宇宙船の部品や構造物の安全性を確保するために、非破壊検査が欠かせません。超音波検査や液体浸透検査などが使用され、欠陥や劣化を検出します。
5. 石油・ガス産業: タンクやパイプラインなどの設備で非破壊検査が行われます。腐食やクラック、欠陥などを検出し、リークや事故のリスクを低減するために、超音波検査やX線検査が使用されます。
6. 医療分野: 医療診断においても非破壊検査が使用されます。例えば、超音波検査やX線検査が用いられ、内部の異常や病変の検出に役立ちます。
これらは非破壊検査が使用される可能性のある一覧ですが、弊社では主に製造業、建築業向けの検査機器をご用意致しております。
私たちが生きる際、健康に生活してゆくには、グローバルな視点を持ち、自然環境を維持しなくてはなりません。
そのために、工業製品や周りの設備を末永く使い、廃棄物を極力減らしていく必要があります。
廃棄物をなくしていくには、製品であれば加工工程や完成時に検査を行う、設備であれば建設時に設備検査を行うなどして、
製品・設備の信頼性を高める必要があります。
また、製品・設備の使用中にも、保守検査として非破壊検査を実施すれば、
製品・設備の寿命を長くすることに役立ちます。
そのため、近年では、さまざまな産業や分野で、「非破壊で検査する」ことが重視されており、社会的に非破壊検査が担う役割は増大しています。
非破壊検査においては、「きず」と「傷」は区別されます。「きず」は、非破壊検査で見つけた意図しなかった不連続部全般を指します。
一方の「傷」は、その不連続部が「有害」なものである場合に使われます。
製品や設備につくきずの種類としては、A.デント（丸みがあるものによってついたへこみ）、B.ニック（角のあるものによってついたへこみ）、C.スクラッチ（浅いきず）、D.クラック（深いきず）、E.ボイド（表面から見ることができない内部にできたきず）などがあります。
対象としては、原子力発電所、ビルディング、鉄道、橋梁、地中埋設物など、社会資本すべてが対象になります。
測定方法としては、測定したい対象に放射線や超音波などを当てる方法や、電流や磁束を流し検出する方法などがあります。
具体的に、主な方法を列挙すると、
・目視検査(VT: Visual Testing)
・放射線透過検査 (RT: Radiographic Testing)
・超音波探傷検査 (UT: Ultrasonic Testing)
・渦電流探傷試験 (ET: Eddy Current Testing)(ECI: Eddy Current Inspection)
・磁粉探傷試験 (MT: Magnetic Particle Testing)(MPI: Magnetic Particle Inspection)
・ひずみ測定 (SM: Stress Measurement)
・アコースティック・エミッション (AE: Acoustic Emission)
・浸透探傷試験 (PT: Penetrant Testing)
・サーモグラフィ試験 (IRT: Infrared Ray Testing)
・赤外線調査
・近赤外分光法
…など、多様な種類があります。
ピンホール探知器は、金属やコンクリート素地上の小さな穴(ピンホール)を探す探知器です。
★こんな機材が使われています!
【こんなところで使われています!】
・生産ラインや作業現場、実験室などの金属素地上の絶縁性皮膜（塗装膜、樹脂・ゴム・アスファルトなどのライニング膜、ホーロー、防水シートなど）のピンホール及び、類似の欠陥を検査。
・化学プラントの機械装置、小形タンク、パイプ、バルブ、機器、部品などの小形物の検査。
・接続部、部品取付部、加工変形部、内部、底面、精密機器、電気機器などの重要部分品などの検査。
・塗り替え・補修部の再塗装後・定期保安点検などの補修検査。
・樹脂ライニング、防水シート、塗装などをコンクリート面上で検査。
・塗りかえ費用の嵩む長大物の検査。
・金属の防錆、防食に最適です。
・上下水道・ガス・電力などの地中埋設管の塗覆層。
・船舶・船用機器、海岸・海中設備機器の検査。
・各種汚染因子にさらされやすい、建造物、構築物、機械装置に対する検査。
・ホーローバス、樹脂コーティングバス、温泉地の設備、機器の検査。
【機材の特徴】
・低周波高電圧パルス放電式
低周波パルス式、微小電流タイプのため、皮膜をいためることなく、高電圧ピンホール検査ができます。
・用途
金属素地上の絶縁性皮膜（塗装、樹脂ライニング、アスファルトライニング、ホーロー、防水シートなど）のピンホール、ホリデーおよび類似の欠陥を探す探知器です。
●これ以外にもピンホール探知器、多数取り揃えております!比較表はこちら!
超音波測定器は、ひび割れ深さを測る測定器です。トンネル、橋桁、連壁、建物の壁面、床版などで使用します。
★こんな機材が使われています!
●超音波試験機 ティコ
【こんなところで使われています!】
・コンクリート構造物に生じたひび割れ深さを測定。
・建屋内壁のひび割れ深さを測定。
・新設コンクリート構造物の品質の管理。
・コンクリート・岩盤の強度を測定。
・鉄筋腐食の可能性評価。
・トンネル・橋げた・連壁・建物の壁面・床版・ボックスカルバートのひび割れを測定。
・コンクリートの劣化・剥離検査・強度ひび割れ深さを測定。
・アルカリ骨材反応などによるひび割れの深さなどを測定。
・連壁厚・トンネル巻厚・床版厚・構造物の壁厚・導水路巻厚の厚さを測定。
・浮き桟橋・柱・水槽などの内部欠陥などを測定。
【機材の特徴】
・コンクリート部材の超音波試験
物質中を伝播するパルス速度は、その密度と弾性特性により変わります。又、パルス速度は伝播する物質の品質及び強度に対し相関性を有します。従って、超音波による調査により、物質の特性についての情報を得ることができます。
・ひび割れ深さ、空隙、火や霜による欠陥
・コンクリート圧縮強度の超音波試験
・コンクリートの均質性の超音波試験
・弾性係数
●これ以外にも超音波測定器、多数取り揃えております!比較表はこちら!
探傷計は、材料内部の割れやきず、断絶部やその他欠陥の位置を探し出す測定器です。超音波による非破壊検査が主です。橋梁の支柱部の点検、道路補修、法面、アンカー工事、耐震補強工事、下水管、管清掃、原子力・火力・水力各発電設備等で利用されています。
★こんな機材が使われています!
●超音波探傷器 USM25S
【こんなところで使われています!】
・溶接、パイプおよびその他多くの構造材料の欠陥状態の検出に
・検査対象物内部の欠陥の検出に
・構造物、鍛造品やタービン、その他さまざまな部品の内部探傷の検出に
【機材の特徴】
・DAC機能（0.5から14db間隔調整可能-JIS適応）
・TCG機能付
・DGS機能付
・波形切換機能（全波、半波（正/負）、RF波形）
・ゲート内波形拡大機能（Magnify Mode）
・200データセットメモリ（メモテキスト付）
・測定開始ポイント（Flank/Peak）切換可能
・アラーム機能
●これ以外にも探傷計、多数取り揃えております!比較表はこちら!
鉄筋検査機は、コンクリート柱の内部の鉄筋破断を非破壊で検査・診断する測定器です。
★こんな機材が使われています!
●鉄筋腐食検査機 キャニンプラスSW(canin+SW)
【こんなところで使われています!】
・コンクリート中の鉄筋(鋼材)の自然電位の計測に。
【機材の特徴】
・キャニンプラスSW(canin+SW)の半電池(スポットおよびホイール電極)は多くの規格(例えばASTM C876-91やJSCE-E601-2000)に記載されている方法に従いコンクリート中の鉄筋(鋼材)の自然電位を計測する。
これらの電圧を計測するには、一部、鉄筋を露出させケーブルを接続する必要がある。
・測定値はグレースケールグラフとして表示装置に表示される。評価ソフトウェアCANIN ProVistaを使ってPCにデータが転送でき、自然電位を評価するベースが提供される。
●これ以外にも鉄筋検査機、多数取り揃えております!比較表はこちら!
非破壊検査で使用される計測器は、このほかにもたくさんあります。
これらの計測器は同じジャンルであっても、メーカーや機種により使い勝手、付帯している機能に違いがあります。
使用する前には目的・ニーズと合っているかを確認したうえで使う必要があります。
計測器はリーズナブルな物から高価な物までいろいろありますが、予算が足りないときはレンタルを利用して計測器を利用するという方法もあります。
