電気管理業でよく使われている計測器 特集【クランプテスタ・電力計・電源品質/ノイズテスタ】
電気管理業は、電気設備や電力の供給・利用に関する管理や保守・監視などの業務を行う産業のことを指します。主な業務内容には、電気設備(自家用電気工作物)の点検・修理・保守、電力の供給管理、消費電力の監視・制御、電力効率の改善、安全対策の実施などが含まれます。
電気管理業は、さまざまな施設や建築物で重要な役割を果たしています。例えば、工場や商業施設では、安全な電力供給と設備の正常な動作が求められます。また、公共施設や住宅でも、電気設備の点検や消費電力の管理が行われ、効率的なエネルギー利用や火災などのリスクの防止が図られます。
電気管理業者は、電気技術や安全基準に関する知識を持った専門家や技術者(電気管理技術者)が従事しています。彼らは、法規制や規格に基づいて作業を行い、電気設備のトラブルや故障を予防・修理することで、安定した電力供給と施設の適切な機能を確保します。
また、電気管理業はエネルギー管理や省エネルギー対策の面でも重要です。エネルギー効率の向上や再生可能エネルギーの導入など、持続可能な電力利用を促進する取り組みも行われています。
電気管理業者は、電力会社や建設業者、施設オーナーなどと協力し、安全かつ効率的な電力供給と利用を確保する役割を果たしています。
自家用電気工作物とは、「電気工作物」の種類の一つです。
電気工作物とは、「発電、変電、送電、配電、または電気の使用のために設置する機械、器具、ダム、水路、貯水池、電線路その他の工作物」のことです。
電気工作物は、大きく二つに分けられて、「一般用電気工作物」という、私たちが暮らすような一般家庭や小さめの商店、小規模事業所などで使用されているものと、「事業用電気工作物」という、一般家庭以外で使われる工作物の二種類があります。
「自家用電気工作物」とは、後者の大分類である「事業用電気工作物」の中で、「電気事業のために供されている電気工作物(電力会社・工場等の発電所、変電所、送電線路、配電線路、需要設備など)『以外』」のものを指します。具体的には、
(1)電力会社等から600Vを超える電圧で受電して電気を使用する設備
工場、事務所ビル、学校、病院、ホテル、スポーツ施設、娯楽施設などの事業所の工作物があげられます。
(2)発電設備とその発電した電気を使用する設備
600V未満の受電電圧が低圧であるものであっても、小出力の発電設備『以外』の発電設備を有するものは自家用電気工作物になります。例えば、停電被害を食い止めるための非常用ディーゼル発電機などは、出力10kW以上の発電機であれば自家用電気工作物になります。
(3)電力会社等からの受電のための電線路以外に構外にわたる電線路を有する電気設備
600V未満の低圧受電の事業場でも、構内以外の電気工作物に至る電線路がある場合は、自家用電気工作物となります。
(4)火薬工場および炭鉱
火薬工場と炭坑は、電気設備の不良により、爆発や引火などの大規模な事故が発生するおそれがあるため、ここにある電気工作物はすべて自家用電気工作物とみなされます。
電気設備の保安点検をしなかった場合、機能や能率が下がり、絶縁劣化が起こり、そのままにしておけば故障や停止の原因になってしまいます。
また、保安管理を怠り事故が発生した場合は、電気事業法により、すべての責任が使用責任者、もしくはオーナーにかかることになり、最高で300万円の罰金を支払わなければならない罰則が定められています。
クランプテスタは配線をはさみこむだけで配線を切断することなく通電状態のままで電流を測る測定器です。低圧電路や電気設備などの漏れ電流(漏電)測定に利用されます。
★こんな機材が使われています!
●クランプテスター CL250
【こんなところで使われています!】
・低圧電路や電気設備などの漏れ電流測定に
【機材の特徴】
・交流電流と直流電流の測定を基本とした大口径(φ55mm)タイプです。
・交流/直流電圧測定機能、抵抗測定(導通チェック)機能
・出力機能が付いています。
●これ以外にもクランプテスタ、多数取り揃えております!比較表はこちら!
電力計は、消費される電力を測る測定器です。太陽電池の電力計測や、施設の電力管理、省エネ対策などに利用します。電圧、電流、有効電力、高周波分析、ノイズ測定、力率、有効電力量の測定、電流積算、電力管理・省エネルギー測定に利用され、クランプ電圧計やパワーアナライザなどとも呼ばれています。
★こんな機材が使われています!
●パワーハイテスタ 3331
【こんなところで使われています!】
・業務用冷蔵庫など大型機器の電力に
・トップランナー方式対象の電気製品の消費電力の評価に
【機材の特徴】
・基本確度±0.2%の高確度
3331/3332の基本確度は±0.1%rdg.±0.1% f.s.で、より正確な測定ができます。
・過渡的な電力変動に追従する応答性
過渡的な電力変動測定に対応できる0.2秒以下の応答を実現しました。(応答速度FAST時)
・6桁の高分解能で電流/電力同時積算
電流/電力を同時に、最大±999999 (MWhあるいはMAh)、または最大10000時間(416日)まで積算できます。
・周波数制御機器に対応する広帯域な特性
スイッチング電源やインバータの測定に対応するため、1Hz(3331は10Hz) から 100kHzの広帯域特性を実現しました。
・50Aダイレクト入力
50Aまで直接入力できます。大容量機器にも対応します。
・基本波成分のみの実効値も測定
500Hzのローパスフィルタ付き平均値整流実効値指示方式も選択できます。
・電流波形ピーク測定機能
電流波形の波高値や実効値の最大値検出ができます。
○システム構築が容易におこなえます
・JIS 100mm, ハーフラックに対応するコンパクト設計(ラックマウント対応のご注文も別途お請けいたします)
・GP-IB/RS-232C:プリンタやパソコンへデータ転送でき、効率良いデータ管理をサポートします。
・EXT.I/O(外部入出力端子):積算スタート/ストップの外部制御や、電圧/電流/電力など各種パラメータのアナログ/モニタ/D/A出力ができます。
・機器始動時の突入電流を測定
電流波形の波高値を測定することができ、ピークホールド機能を使用すれば、モータ突入電流波形の波高値ピーク検出(MAX. 90A)や、実効値の最大値検出が可能です。
・商用周波数成分の実効値を測定
PWM電圧形インバータの基本波実効値を測定するために、500Hzのローパスフィルタ付き平均値整流実効値指示方式(MEAN)も採用しています。また、ひずみ波形に対応した真の実効値方式(RMS)での測定もできます。
・消費/回生(発電)状況を把握
モータなど回生電力の生じる機器の、消費(+)、回生(-)、および総合の電力積算値も同時に測定できます。
・三相ラインの不平衡が確認できます
2電力計法(2電圧/2電流)でも、測定していないもう一相分の電圧と電流をベクトル演算で算出し、表示できます。
・単相電力計2台分としても使用できます
単相2線式の負荷であれば、同時に2台分測定でき、設備コスト低減に貢献します。
○アプリケーション(GP-IB/RS-232Cインタフェースでの応用例)
3331/3332標準装備のGP-IBまたはRS-232Cインタフェースを使用して。電源ON/OFFを除く機能のすべてをパソコン側から制御できます。
さらにアプリケーションソフトにより、測定データをパソコン上の市販の表計算ソフトにダイレクトに取り込め、面倒な試験成績表の作成がパソコン上で可能になり、効率の良いデータ管理をサポートします。
●これ以外にも電力計、多数取り揃えております!比較表はこちら!
電源品質/ノイズテスタは、電源異常を測定/解析やノイズを測定ができる測定器(アナライザー)です。トラブルシューティング、実態調査、予防保全、電力(負荷)の調査に利用されています。
★こんな機材が使われています!
●電源品質アナライザ PW3198
【こんなところで使われています!】
・トラブルシューティング
問題が起きている現場での電力の実態を調査。(設備の誤動作、故障、リセット、加熱、焼損など)
太陽光発電システム、風力発電システム、EV 充電スタンド( ステーション)、スマートグリッド、工作機械、OA 機器(コンピュータ、プリンタ、UPS など)、医療機器、サーバールーム、電気設備(トランス、進相コンデンサなど)のトラブルシューティングに最適。
・実態調査、予防保全
電力品質の長期的な測定を行い、発見しづらい問題や間欠的に起こる問題の調査に。
電気設備の保全、太陽光発電システム、風力発電システムの動作確認に。
管理目標値がある電圧変動、フリッカ、高調波電圧などのパラメータの管理に。
・電力(負荷)の調査
消費電力の調査、負荷を追加する前に系統の容量確認に。
【機材の特徴】
・その一瞬を逃さない
電源異常発生 現場のトラブルシューティングに
予防保全 電源品質を管理して事故の未然防止を
・CAT IV 600 V の安全性能
電力の引き込みライン測定に必要とされるCAT IV に対応
電圧トランジェントは6,000Vpeak まで測定可能
・簡易設定機能搭載
測定コースを選択し、結線とクランプを選ぶだけ
状況に応じた設定をワンステップで自動設定
・新国際規格対応
電源品質測定の国際規格IEC61000-4-30 Ed.2 ClassA 対応
電圧基本測定確度0.1%の高精度
●これ以外にも電源品質/ノイズテスタ、多数取り揃えております!比較表はこちら!
電気管理業で使用される計測器は、このほかにもたくさんあります。
これらの計測器は同じジャンルであっても、メーカーや機種により使い勝手、付帯している機能に違いがあります。
使用する前には目的・ニーズと合っているかを確認したうえで使う必要があります。
計測器はリーズナブルな物から高価な物までいろいろありますが、予算が足りないときはレンタルを利用して計測器を利用するという方法もあります。