鋼鉄中の炭素の検出に役立つ測定器 特集

鋼鉄中の炭素について

鋼鉄中の炭素は、鋼鉄の性質に大きく影響を与える重要な元素です。
炭素含有量によって、鋼鉄は大きく3種類に分類されます。

1. 低炭素鋼（炭素含有量：0.02~0.25％）
• ・柔らかく、加工しやすい
• ・強度や硬度は低い
• ・靭性に優れている
• ・溶接性に優れている
• ・主な用途：構造材、機械部品、鋼管、自動車用鋼板など

2. 中炭素鋼（炭素含有量：0.25~0.6％）
• ・低炭素鋼よりも強度や硬度が高い
• ・靭性も比較的良い
• ・熱処理によって性質を調整しやすい
• ・主な用途：機械部品、バネ、歯車、軸受など

3. 高炭素鋼（炭素含有量：0.6~2.14％）
• ・強度や硬度が高く、耐摩耗性に優れている
• ・靭性は低い
• ・加工が難しい
• ・切削工具、刃物、バネなど

炭素含有量以外にも、マンガン、シリコン、クロム、ニッケルなどの元素が鋼鉄に添加され、様々な特性を持った鋼鉄が製造されています。

鋼鉄は、炭素量や添加元素の種類、熱処理方法によって、様々な性質を持たせることができるため、構造材、機械部品、工具など、幅広い用途に使用されています。

鋼鉄中の炭素の検出に役立つ測定器について

鋼鉄中の炭素の検出に役立つ測定器はいくつかありますが、代表的なものは以下の通りです。

• ・発光分光分析器：発光分光分析器は、試料を励起して発生する光を分析することで、元素の種類と含有量を測定する装置です。鋼鉄中の炭素をはじめ、様々な元素を測定することができます。
• ・燃焼分析装置：燃焼分析装置は、試料を燃焼させて発生するガスを分析することで、元素の種類と含有量を測定する装置です。鋼鉄中の炭素をはじめ、酸素、窒素、硫黄などの元素を測定することができます。
• ・熱伝導検知器：熱伝導検知器は、ガスの熱伝導率を測定することで、ガスの種類と濃度を測定する装置です。鋼鉄中の炭素は、二酸化炭素に変換されて測定されます。
• ・磁気分析装置：磁気分析装置は、試料の磁性を測定することで、元素の種類と含有量を測定する装置です。鋼鉄中の炭素は、鋼鉄の磁性に影響を与えるため、この方法で測定することができます。
• ・超伝導量子干渉装置 (SQUID)：SQUIDは、極めて微弱な磁場を測定できる装置です。鋼鉄中の微量の炭素を測定するために使用することができます。