受動喫煙防止への対策




受動喫煙とは、非喫煙者が喫煙者の周囲でタバコの煙を吸い込むことです。受動喫煙は、健康に悪影響を及ぼすことが知られています。喫煙による有害物質や化学物質が周囲の人々に影響を及ぼし、呼吸器疾患、心血管疾患、がんなどの疾患のリスクを増加させる可能性があります。

受動喫煙が原因で起こりうる健康問題としては、以下のものがあります。

・肺がん
・心筋梗塞
・脳卒中
・慢性閉塞性肺疾患(COPD)
・乳幼児突然死症候群(SIDS)
・喘息
・アレルギー性鼻炎
・小児白血病


妊婦や子供への影響: 妊婦が受動喫煙にさらされると、胎児の発育や成長に悪影響を及ぼす可能性があります。また、子供が受動喫煙にさらされると、呼吸器疾患や中耳炎のリスクが増加し、将来的に喫煙者になる可能性も高まることがあります。

受動喫煙による健康被害は、医療費増や生産性の減少といった経済的な負担をもたらすことがあります。また、喫煙規制や喫煙禁止の導入により、事業者や施設の経済的な影響も考慮されます。

受動喫煙は、健康に悪影響を及ぼす可能性があるため、受動喫煙を避けるようにすることが重要です。受動喫煙を避けるためには、以下のような対策を行うことができます。

・屋内禁煙政策の実施:屋内では、禁煙を徹底する。
・屋外の喫煙エリアの設置:屋外でも、喫煙者との距離をできるだけ離す。
・換気システムの改善:換気の良い場所にいる。空気清浄機を使用する。


受動喫煙は、健康に悪影響を及ぼす可能性があるため、受動喫煙を避けるようにすることが重要です。受動喫煙を避けるための取り組みは、個人でできることもあれば、社会全体で取り組む必要があることもあります。受動喫煙のない社会を実現するために、一人一人ができることを考えていきましょう。
これらの対策を総合的に実施することにより、受動喫煙のリスクを最小限に抑えることができます。

管理者の方がどのような対策と測定をしたらいいのかについて、まとめてみました。

1.受動喫煙とは

室内又はこれに準ずる環境において、他人のタバコの煙を吸わされることを言います。
タバコの煙に含まれる様々な有害物質や発がん物質は、喫煙者が肺に直接吸い込む主流煙よりも、火のついた先から立ち上る副流煙、喫煙者から吐き出された呼出煙に多く含まれまれており、これを周りの人が吸い込むことを「受動喫煙」と言います。

これにより、せきやたん、息切れなどが続くようになったり、気管支喘息、精神疾患(うつ病・うつ状態)、認知症、がんや心臓疾患、呼吸器系疾患など様々な疾病の危険性が高まり、さらに妊婦や赤ちゃんにも悪影響が生じるとされています


2.受動喫煙に関する世界の動き

(平成17年2月)WHOたばこ規制枠組条約
世界保健機関(WHO)は、タバコに関する規制を行うこととし、国際条約を発効しました。

(平成19年7月採択)
WHOたばこ規制枠組条約第8条履行のためのガイドライン


3.受動喫煙に関する国内の動きと法令

(平成15年5月)
受動喫煙防止法(健康増進法)が施行されました。
[健康増進法 第25条] (参考)
学校、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、事務所、官公庁施設、飲食店その他の多数の者が利用する施設を管理する者は、これらを利用する者について、受動喫煙を防止するために必要な措置を講ずるように努めなければならない。

当面の間、喫煙可能区域を設定する等の受動喫煙防止対策を求めることとし、将来的には全面禁煙を目指すことを求める。

(平成28年10月)
受動喫煙防止対策の強化について(たたき台)が厚生労働省から示されました。
防止対策の実効性を担保する観点から、義務、義務努力が課せられるだけではなく義務違反者に対しては、勧告、命令等が行われ、更には罰則が適用される方向性が示されています。


4.受動喫煙防止措置と測定方法について

(事業者の努力義務)
多数の者が利用する施設の管理者や事業者は、受動喫煙防止対策に努めることとされています。
一般の事務所、工場等については、全面禁煙・空間分煙にする義務が適当とされており
職場の現状を把握・分析して、効果的な対策を実施が必要になります。

(受動喫煙の防止に講じる措置と測定方法の例)
[1]喫煙室の設置・改修(空間分煙)
・喫煙室内に向かう気流・浮遊粉じん濃度及び一酸化炭素濃度が、喫煙室、非喫煙区域において以下を満たしていること

喫煙室に向かう気流:すべての測定点で0.2m/s以上
浮遊粉じん濃度  :測定点全体の算術平均が0.15mg/m3以下
一酸化炭素濃度  :測定点全体の算術平均が10ppm以下

(測定方法と測定機器)
1の測定→ 喫煙室内へ向かう気流を開口面中央の上部・中央部・下部の3点において
測定する。測定時には、風向きを確認する
測定機器:JIS T 8202に準拠した一般用風速計
(例)→https://www.measuring.jp/kis0128.html

2,3の測定→3mから5mの等間隔で引いた縦の線と横の線との交点で設定した数など偏りないことで、床上約1.2mから1.5mの高さで、5点以上の測定を行う
粉じん測定時間は、10分/測点以上が望ましい
一酸化炭素濃度は、複数回の測定が望ましい
測定機器:デジタル粉塵計
(例)→https://www.measuring.jp/sou0404.html
測定機器:一酸化炭素濃度計
(例)→https://www.measuring.jp/yuu0205.html

[2]屋外喫煙所の設置(屋内全面禁煙)
設置場所の直近の建物出入り口等における浮遊粉じん濃度が増加していないか確認する
(測定方法と測定機器)
建物出入口等から屋内側に1m入った地点での床上約1.2mから1.5mの高さで測定する
喫煙所内に喫煙者がいない状態で各装置を稼働させて、測定を1分間隔で行い、バックグランド測定の確認を行う
その後、喫煙者が最も多い条件で、喫煙開始から5分後に1分間隔で測定を行う
測定機器:デジタル粉塵計
(例)→https://www.measuring.jp/sou0418.html

[3]喫煙可能区域を設定した上で当該区域における換気措置の実施
浮遊粉じん濃度、必要換気量、一酸化炭素濃度が、以下を満たさない場合は、屋外排気装置の改善等の検討が必要

浮遊粉じん濃度:測定点全体の算術平均が0.15mg/m3以下
必要換気量:70.3×n(喫煙可能区域の席数 m3/h以上
一酸化炭素濃度:測定点全体の算術平均が10ppm以下

測定方法は、喫煙室と同様
測定機器:JIS T 8202に準拠した一般用風速計
(例)→https://www.measuring.jp/kis0112.html
測定機器:デジタル粉塵計
(例)→https://www.measuring.jp/sou0409.html
測定機器:一酸化炭素濃度計
(例)→https://www.measuring.jp/yuu0205.html

(測定頻度)
受動喫煙防止対策を変更した場合(新規含む)速やかに測定を実施する。
効果の検証は、概ね3ヵ月内に以内ごとに1回以上、定期的に測定を実施する。
その他、労働者や施設利用者から希望があれば随時測定を行う。


5.測定対応 該当機器
デジタル粉塵計 推奨レンタル機材





デジタル粉塵計 LD3K2
質量濃度変換係数:5.2×10-4
光散乱式デジタル粉塵計 3442
質量濃度変換係数:6.4×10-4
デジタル粉塵計 LD5D
質量濃度変換係数:6.4×10-4
クリモマスター風速計 推奨レンタル機材





多機能型風速・風量計 クリモマスター 6501-00(プローブ6531-21) クリモマスター風速計 MODEL 6542 携帯型風速計アネモマスターライト MODEL 6006
一酸化炭素濃度計 推奨レンタル機材





一酸化炭素計 XC-2200
質量濃度変換係数:
一酸化炭素モニター CO-01
質量濃度変換係数:
室内環境測定器 IAQモニター 2211
質量濃度変換係数:





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