騒音とは [技術資料]
◆音って何?
音は空気の微小な圧力変動です。その変動が耳に伝わって、鼓膜を振動させることにより、人は音として感じます。
このとき、大きい圧力変動であれば大きい音、小さい圧力変動であれば小さい音に聞こえます。
また、1 秒間に振動する回数を周波数といい、回数が多ければ高い音、少なければ低い音として聞こえます。
音の大きさは圧力レベルで表し、単位はdB(デシベル)を用います。音の高さは周波数で表し、単位はHz(ヘルツ)を用います。
◆等価騒音レベルLeqとは
騒音に係る環境基準の評価に等価騒音レベル(Leq)が用いられます。
①等価騒音レベル
等価騒音レベル(Leq)は、equivalent continuous sound levelの訳であり、ある時間内で変動する騒音レベルのエネルギーを同時間内の定常騒音のエネルギーに置きかえることです。
時間t1.t2の間に、騒音レベルが47.60dBの範囲で移動している場合(上の図)の例で、この騒音のエネルギーを定常騒音のエネルギーに置き換えると53dB(下の図)のようになります。
② Leq の測定
等価騒音レベルは騒音計(Leq 機能付)、レベル処理器により自動的に演算されます。
◆時間率騒音レベルLxとは
変動騒音の評価量として古くから使われ、我が国において騒音規制法や環境基準などにおける騒音の評価量として用いられてきました。
ある実測時間内の変動騒音に着目した場合、その騒音レベルがあるレベルを超えている時間の合計が実測時間(t2.t1)のX%に相当するとき、その騒音レベルをX%時間率騒音レベルと呼び、Lxで表します。
◆周波数分析とは
音、振動は一般に多くの周波数が合成された複雑な波形をしています。
音や振動の性質を調べるため、この複雑な波形を周波数成分ごとに分けることを周波数分析と呼び、一般的には1/1オクターブバンド分析、1/3オクターブバンド分析、FFT分析等の手法がよく使われます。
◆1/1オクターブバンド分析、1/3オクターブバンド分析とは
音の高さの感覚は、音の周波数によってだいたい決まります。
二つの音の高さの感覚の違いは、音の周波数の差ではなく、音の周波数の比に対応します。
周波数分析に用いられるバンドパスフィルタセットには、定比型(フィルタの上限周波数と下限周波数の比が一定)と定幅型(上限周波数と下限周波数の差が一定)の二種類がありますが、騒音の評価を目的とした分析には、人間の感覚に対応させ易い定比型フィルタを使うのが一般的です。
周波数の比が2となる関係をオクターブといい、バンドパスフィルタの上限周波数が下限周波数の2倍であるフィルタを1/1オクターブバンドパスフィルタと呼びます。
1/1オクターブバンド分析のフィルタの中心周波数は、31.5、63、125、250、500、1000、2000・・・Hzと、隣り合うフィルタの2倍の関係になります。
詳細な分析が必要なときには、1/3オクターブ分析が使われます。
1/3オクターブ分析のフィルタの中心周波数は、31.5、40、50、63、80、100、125・・・Hzと、隣り合うフィルタの1.25 倍(1/3オクターブ間隔)の関係になります。
◆低周波音とは
低周波音は、私たちが話す声や鳥のさえずり、虫の音などと同じ音の仲間です。音の中でも、特に低い音のことを低周波音と呼んでいます。
例えば、船やバス・トラックなどのエンジン音、大きな滝の水が滝壷に落ちる音、波が防波堤で砕ける音などに低周波音が多く含まれます。