作業現場でのクレーン事故対策
作業現場でのクレーン事故対策について
作業現場でのクレーン事故は、重大な人的・物的損害を引き起こす可能性があります。
最近では、2025/4/10日 午後、神戸市中央区雲井通のJR三ノ宮駅前の解体工事現場付近で、クレーンの先端が隣接する建物に接触する事故が発生しています。
今回の件では幸いにも怪我人は出ていませんが、事故を未然に防ぐためには、法令遵守はもちろんのこと、現場の状況に応じた適切な対策を講じることが重要です。
作業現場でのクレーン事故対策の具体案
作業現場でのクレーン事故対策の具体案について、以下にまとめました。
- 1. 法令遵守と資格の確認
労働安全衛生法、クレーン等安全規則の遵守:
クレーン作業に関する法令を遵守し、作業計画の作成、作業指揮者の選任、定期的な点検などを徹底します。資格の確認:
クレーンの運転、玉掛け作業には、それぞれ必要な資格があります。作業員の資格を必ず確認し、無資格作業を禁止します。 - 2. 作業計画とリスクアセスメント
作業計画の作成:
作業内容、使用するクレーンの種類、吊り荷の重量、作業範囲などを詳細に記載した作業計画を作成します。リスクアセスメントの実施:
作業前にリスクアセスメントを実施し、潜在的な危険性を特定し、対策を講じます。 - 3. クレーンの点検・整備
始業前点検、定期点検の実施:
クレーンの始業前点検、月次点検、年次点検を確実に行い、異常がないか確認します。ワイヤーロープ、フックなどの点検・交換:
ワイヤーロープ、フックなどの吊り具は、摩耗や損傷がないか定期的に点検し、必要に応じて交換します。 - 4. 作業環境の安全確保
作業範囲の明確化と立入禁止措置:
クレーンの作業範囲を明確にし、立入禁止区域を設定します。地盤の確認と養生:
クレーン設置場所の地盤が安定しているか確認し、必要に応じて敷鉄板などで養生します。強風対策:
強風時の作業は中止し、クレーンを安全な状態に格納します。視界の確保:
悪天候などで視界が悪い場合は、作業を中止するか、誘導員を配置します。 - 5. 作業員の安全確保
安全な作業姿勢と服装:
作業員に安全な作業姿勢と適切な服装を指導します。保護具の着用:
ヘルメット、安全靴、安全帯などの保護具を必ず着用させます。合図の徹底:
クレーン運転者と玉掛け作業者間の合図を徹底し、誤操作を防ぎます。吊り荷の下への立ち入り禁止:
吊り荷の下には絶対に入らないよう、作業員に徹底します。周辺作業員への注意喚起:
クレーン作業を行う事を周辺作業員へ周知徹底し、接触災害を防止します。 - 6. 緊急時の対応
緊急連絡体制の確立:
事故発生時の緊急連絡体制を確立し、関係機関への連絡手順を確認します。応急処置の準備:
応急処置に必要な救急用品などを準備します。
作業現場でのクレーン事故対策に役立つ測定器
主に使われている測定機器は以下になります。
- 作業中の建物との衝突防止に: 「レーザーバリアシステム LMS211」など。
- 死角の解消と視認性の向上・接触事故の防止に: 「無線式クレーンカメラ」など。
- 強風時の作業中止判断の迅速化・作業現場全体の風速把握に: 「ワイヤレス式デジタル風速計 ANM-01」など。
まとめ
これらの対策を総合的に実施することで、クレーン事故のリスクを大幅に低減できます。安全第一で作業を進めることが、事故防止の最も重要な要素です。